「来週は健康診断があるから、このチョコレートを食べるのはやめておこうかしら」
年に一回の定期健康診断が直前に迫ってきた頃、勤務先の女性の同僚や学校の同級生の女子などから冒頭のようなセリフをよく聞くことはないだろうか。健康診断あるあるですね。
そんな話を耳にすると一週間前にジタバタしたところでどうにもならないだろうと思いつつも、その反面では健康で締まりのある身体を維持していくためのモチベーションとして年に一回くらいはこのような機会があることはありがたい事だとも思う。
ダイエットはまず意識しない事には始まらない。健康診断の前に良い数値を出そうと頑張る人がいる傍ら、健康診断の結果が出た後でこのままではまずいとダイエットを始めようと決意するような人も当然居るであろう。
健康診断はいずれにしても、自身の身体を見直す良い機会だ。
[シンプルに気になる体重]
体重も重要な健康のバロメーターになる。前回、前々回の記録も残っているので、比較して急激な体重の増減がないかどうかに注目すべきだ。増えるケースは食生活の乱れや不規則な生活リズムなど思い当たる原因を突き止めやすいとも云えるが、特に思い当たる理由もなく体重が減少した場合などは注意が必要である。
知らず知らずのうちに今までよりも食欲が減少しているという事はないだろうか。
体重を減らすという意図がないのにも関わらず減っている様な場合は何らかの病気が潜んでいる可能性もあるので、病院で詳しく検査してもらうなどを検討してみたほうが良いだろう。
一方、体重が増加した場合であるが、食べ過ぎや運動不足などで増加の原因があきらかなケースが多いと考えられるので、それまでの生活を見直す良い機会となるだろう。
[腹囲を意識してメタボ予防]
健康診断の項目に腹囲の検査が導入されたのは2008年からになる。特に中高年層の生活習慣病を予防する目的であるという。
中高年の世代でよく目にするのは、顔や手足を見る限りは標準の体型に見えるものの、下腹部のみが異常に突き出ている姿の方々である。
見た目が良くないという事だけで済めばまだ良いが、内臓脂肪の肥満から重大な病気を呼び込んでしまうような事があれば、当然にして働き盛りの時代も台無しとなってしまうし、家庭を持つ身であれば、住宅ローンの支払いや子供の教育費など家計に与える影響ははかりしれないものがある。
腹囲検査で前回を上回る結果が出てしまったという事があれば、ぜひとも食習慣の見直しや運動を取り入れる良い機会にしたいものである。
[血液検査でわかる中性脂肪]
食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足などが原因で血液中に増加していくのが中性脂肪。
健康診断の血液検査でこの中性脂肪の状況が確認できる。
状況が悪化すると動脈硬化が進み、循環器系の病気を発症してしまう原因ともなるので、これも注意して観察していく必要があるだろう。
体重や腹囲は外見上で肥満の状態などを確認できるが、内臓の脂肪の状態を数値で把握できる血液検査は大きな意義があるのではないだろうか。
検査で異常なしであるならば言うことなしであるが、年を重ねていくと経過観察などの判定になる項目のひとつや2つくらいは出てくる人が多いのではないだろうか。
血液検査の結果についても、ダイエットを継続して行っていくモチベーションにしていきたいものである。
[同年代と健康を競う気持ちで]
中高年の世代にもなると、健康に関わる話題で盛り上がる事が少なくないのではないだろうか。
俺は血圧で引っ掛かったとか、俺はコレステロール値で引っ掛かったなど不健康のマウントの取り合いなんて光景も見受けられるが、ここはぜひとも診断で引っ掛かる項目もなく健康と若さを維持している自分というものを胸を張って誇りあうマウントの取り合いをしたいものである。
同年代で健康で締まった身体の維持を互いに競い合うくらいの刺激を与えあう関係を健康診断を通して仕事仲間などで築けていけたら、日常の生活の張り具合もまた違ったものになるのではないだろうか。
[幸福の源は健康だからこそ]
私たちは生涯にわたり幸福に満ちあふれた人生を歩みたいというのは誰しもが思うことであるが、幸福の前提条件となるのは健康であってこそである。
生涯を生き生きと快適にいつまでも若くあり続けるためにも一年に一回の健康診断の機会を自分の身体を見直す良いチャンスと捉えて大切に生かしていきたいものである。
s_hirama1著