様々な目的で行われるダイエット。当たり前にある言葉過ぎて、本来の意味とは少し違って解釈されやすい言葉であり手段だと思われます。
冒頭からこのような事を言い出したのは、理由があります。
それは、私が実際にこのような感想を持つような出来事を目の前で、かつ長期に渡って目撃していたからなのです。
今回は、とある私の身近な人物のダイエットに関するお話をさせていただきたいと存じます。
私と母
今回の主題に移る前に少しだけ私の自己紹介をさせていただきましょう。
私は昔から大人しくネガティブな性格で、いつも見えない何かに対して不安を持つような人物でした。いつも何かしらの悩みを持ち続けており、自分はどうして上手くいかないのだろうと常に考えていたのです。
そんな私は、自身のスキルや運命、環境については様々な不安や不満がありましたが、唯一自身の体形についてだけは気にしておりませんでした。
普通の体形で見た目も普通と自負をしており、ある出来事が起こるまではあの言葉を口に出すこともありませんでした。
その言葉とは「ダイエット」です。
ある出来事とは、母に関してでした。
母は、私とは逆の性格といいますか、大雑把で声も大きく、細かいことを気にしないで常に楽観的に生きている人でした。
ただ唯一、50代を過ぎてから自身の体形について気になり始めたらしく、私の実家ではダイエットの為のサプリや器械が多く散乱しておりました。
どうも母は、昔からの友達とダイエットの話題になった時にそれがきっかけで火が付いたようでした。
母の人生初のダイエットは、最初は勢いがあったもののなかなか成果は出ず、一緒に住んでいた私もその様子を毎日見るハメになっていたのでした。
人生初のダイエット
母が行っていたダイエットは主に3つ。
①エネルギーの消費を高める効果のあるサプリを摂る
②ランニングマシーンでの運動
③野菜を中心とした食生活で、炭水化物を出来るだけ抑える
以上が母の行っていた方法であり、どれも別に悪い方法ではありません。
そして私が見た限り最初の1,2ヵ月は、母は楽しそうにダイエットに取り組んでいたようでした。
しかし、ダイエットを始めてから3ヵ月経っても結果が出ないとなるとさすがに焦ってきたのか、母は顔を曇らせて悩むようになりました。
私はそんな母を見て言いました、
「別の方法を試してみたら?」
そう提案をしてみたのですが、母は先ほど挙げた方法が一応は気に入っているらしく、悩みながらも今まで通りの方法を続けることにしました。
それでも一向に結果は出ません。
そして人生初のダイエットを始めてから半年、結局母は別の方法に変えるという判断を下すことになったのでした。
意外な盲点
母が試した方法、それは「楽器の練習」でした。
この方法のきっかけとなったのは、私が大学時代にフルートを吹いていた経験があり、今でも私がそれを趣味として続けていたことでした。
母は、自身で一番安いフルートを購入し、施設やカラオケ館などを借りて練習に励みました。
さて、ここまで読むと勘の良い方であれば「腹式呼吸」で上手くいった話では、と思うかもしれません。
しかし実は違います。
何故違うと言い切れるのか。
それは、母はフルートを毎日毎日行っていたわけではないからです。
もしダイエットの為に必死になるのであれば、毎日楽器を吹いて腹式呼吸を使う機会を増やしていくべきでしょう。しかし母は、サプリやランニングマシーンなどの方法は止めて、フルートを楽しむことに専念したのです。私は母に聞きました、
「ダイエット止めたの?」
すると母はこう言いました、
「うん…何か楽しくなくてね…。でもおかげでフルートは楽しくて勝手に体が動いちゃうんだよね。ダイエットはやらなくちゃっていう思いがあったけど、フルートには無いから」
母はダイエットを止めました。そして、体形も以前と変わった感じはありませんでした。
これは失敗に終わった、挫折したという事でしょうか。
いえ、違うのです。
その後暫く、母の体形や表情、健康状態はいつもと変わらない様子でしたが、それから半年くらい経った時には、以前とは見違えるほど表情が変わっておりました。
年はもう50代であり、年齢を重ねているはずなのに以前より行動力が上がり、身体の動きがハキハキしている様子が見て取れました。
つまり、、
母は、ダイエットを止めたからダイエットに成功した、と私は思ったのです。
私の日本語、論理が破綻していると思われそうですが、それなら改めてお伝えしましょう。
母は、「ダイエットを成功させる」という目的を捨て、「楽しいことを追求」するという事に切り替えました。そして勿論、この方法でダイエットが必ず成功するわけではありません。
ダイエットをすることはいいのですが、それは何を以て成功と言えるのでしょうか?
私は思うのです。
ダイエットに失敗する理由は、「ダイエットをするんだ」という意識から始め、そこばかりを追求するからではないかと私は愚考します。
私が一番分かりやすいと思う例を挙げましょう。
例えば、自身が仕事で疲れており、ストレスが溜まっている時に、なかなか寝付けないとします。その時に、
「体を早く休ませなくちゃ!早く寝なきゃ、早く寝なきゃ!早く寝なきゃ!!」
このように考えて本当に質の良い睡眠を取れるでしょうか?
これは私自身がよく経験していた事であり、父親からも寝付けない時に無理矢理寝ようとしたら絶対にダメだと言われたこともあります。
そうです。
早く寝なきゃとは、早く成果が出したい、早く成果が出したい、という事の表われです。
ですからダイエットをするんだという事に囚われすぎると、むしろダイエットに失敗するかもしれません。人の思い込みや気になるという思いはそれだけ強いものなのです。
そして母は、不自然な我慢よりダイエットという目的から視野を広げ、好きな事を取り組むことで身体は元気になり、行動力が増え、代謝が上がるという結果になったわけです。
これは意外な盲点であると私は思ったのです。
まとめ
以上ここまで、私の身近な人物のダイエットに関するお話、母のダイエットに関してお話をさせていただきました。
少し分かりにくい例えと答えだったかもしれません。
しかし、もう一度言います。
寝たい時に「寝たい寝たい」と強く思っていたら、眠れるでしょうか?
それと同じで、ダイエットはいつ成功するのかという事にストレスを強く感じているのであれば、失敗する可能性は十分にあると思います。そして、続かないのです。
私は、母の近くでこの状況を見ていて、何かを達成したいと思う時に結果が出ない事に対してストレスを感じているのであれば、何か視点を変えなくてはいけないと思うようになりました。
そしてこの考えた方は私の視野を広くし、物事への成功率を上げると信じているのです。
diary.st著